勉強中

院試活では、大学院を受験するための院試の準備をできるだけ早く行うようにアドバイスしています。

しかしこのアドバイスは、早めに準備することで難しい問題も解けるようにするという、大学までの受験勉強とは意味が異なります。

今回は、院試を早めに準備することの大切さについて、お話しいたします。

 

大学4年生から始めたのでは遅すぎる。

院試では、大学で学ぶべき内容で、大学院に入学したら使うであろう内容がわかっているかどうかを試験いたします。

すなわち、大学入試のようにあまり難しい問題がでるわけではありません。

基本的な内容を理解しているかどうかが鍵になります。

 

このように書くと、院試に出題される内容自体は、あまり時間をかけなくても学習できそうな気がします。

 

しかし、あまり時間をかけずに試験勉強ができると言うことは、一度きちんと学習していることが暗黙の前提に含まれています。

 

しかも大学4年生になると、教育実習やゼミといった慣れない環境での生活が続きます。

このような状態になると、なかなか院試の試験勉強ができません。

逆に言えば、大学4年生では院試の試験対策を行っている時間はあまりないのです。

 

さらに、院試は紙の試験だけでなく、面接や研究計画書を提出しなければならないところも増えてきました。

どの大学院のどの先生の元でどんな研究をするのかは、前もって調べておかないと、的違いなことを書いたり、うまくまとめることができなかったりします。

 

そして、英語の試験については、民間英語試験の成績を利用したりするところも増えてきているので、これらは大学3年生のうちにある程度スコアを取得している必要があります。

 

このように考えると、英語を含めた院試の試験勉強というのは、大学4年生からスタートするのでは遅いことがわかります。

スタート時期はいつから?

大学で学習する範囲は非常に広いため、高校までのように決められた内容を全て講義で説明することは不可能です。

そもそも大学の講義には、自分で予習・復習する時間が加味された上で講義時間が決められています。

このことは、講義だけでは院試の試験範囲をカバーするのは非常に難しいことを意味しています。

 

そもそも大学では大まかな内容について、やらなければならないことは決められていますが、講義の内容は各大学によって異なります。

その大学の研究室の卒業研究ができるように、講義が組まれています。

とはいえ、多くても1年間30回程度しか講義をすることができません。

30回で一つの単元を教えられる範囲は、最低限のことだけなのです。

 

講義の内容から少しレベルを上げた内容は、自分で学習するしかありません。

しかも、物理・宇宙系の院試問題は、物理・数学を知っていないと解くことができず、しかもメインテーマは物理でも、その問題を解くのに数学の知識を知っている必要があります。

これらを院試の試験勉強としてまとめてやろうと思っても、前提条件の知識が不足してしまうと、院試問題に手も足も出ずに撃沈ということになりかねません。

 

このような状況を考えると、院試の試験勉強を始める時期は、

 

大学入学後すぐ

 

始めるのがベストであると言えます。

 

ただ、最初は大学院に進学するつもりがなかったけれども、やっているうちにおもしろくなってきて、学年が進んでから進学を決めたという場合もあります。

その場合には、決めた段階ですぐに試験勉強を開始してくださいね。

試験勉強は何をすればいいのですか?

物理・宇宙系の大学院の入試問題では、主に英語・物理・数学が出題されます。

後の講義は、最初の方に学習する講義の範囲がわかっていることが前提に進められていきますから、まずは講義の範囲の、

 

  1. 基本的な概念の理解・導出、
  2. 基本的な演習問題

 

を行います。

 

これがファーストステップです。

基本的な内容の理解ができて初めて、院試に出題されるような問題を解くことができるのです。

 

基本的な内容の理解ができた後のセカンドステップは、

 

  1. 講義で学習した内容より1ランク上のテキスト、演習書

 

での学習を行います。

ここまでを講義のある期間中に終わらせます。

 

なぜ、ここまで行うのかというと、長期休暇中には院試レベルよりも上のテキストにチャレンジしていただきたいからです。

テキストには大学院・研究者向けレベルと書いてあるものもあるのですが、この言葉の通りにして大学院に入ってから学習しようと思っても、大学院では自分の研究も行う必要があることから、思ったように読み進めることはできません。

 

となると、大学生のうちに学習するしかないのです。

院試に合格することだけを目的にしているのであれば、このレベルは不要です。

 

しかし、大学院に入ってから苦労するようでは、何のために大学院に入ったのかわからなくなってしまいます。

そのため、長期休暇中に大学院・研究者向けレベルの内容に取り組むのです。

 

もちろん、基本的なレベルや院試レベルのところで、少し不安があるようでしたら、長期休暇中に不安をなくす学習に当ててくださいね。

難しい参考書や問題集にチャレンジしても手が出ないようであれば、いつまでかじりついてもその単元については全く伸びず、時間の無駄になるだけですから・・・。

 

いろはいろは

まずは基本的な概念や問題ができるようなることを目指しましょう!

他の大学や他学科の大学院を志望する場合は?

自分の通っている大学の大学院の場合、講義で学習した内容に沿って出題されることが多いので、講義の科目について学習していればOKです。

しかし、他の大学や他学科の大学院の場合、自分の大学院では学習していない内容の講義が出題範囲であることが多いので、どのような内容が出題されているかを過去問などで確認する必要があります。

シラバスが公開されていれば、シラバスでどのような内容の講義があるのかを確認しておくといいでしょう。

もし、自分の大学では開講されてない項目が試験範囲に出題されていたら、独学で学習する必要があります。

集中すれば短期間で学習することも可能ですが、他の科目もあり、そして、学校の講義などもあると、集中して学習するのは難しいと言えるでしょう。

学習していない科目を学ぶのには、余裕をみて半年ほど学習するのにかかると見積もっておくといいかと思います。

いろはいろは

早めにスタートを切るのが合格への第一歩です。

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