理系の研究室で行われる輪講のテキストの多くが英文です。
専門的な内容が書かれているテキストですし、(お話ではなく、数式が出てくるような)数学や理科に関する英文を読む機会は、大学の教養課程で学習する英語も含めてほとんどありませんから、ものすごく難しく感じることもあります。
専門的なテキストは、当然ながら海外の大学の講義で使われていますので、前提として大学入学レベルの英文が読めることが前提になっています。
最低限SAT(大学進学適性試験)レベルの内容がサクッと読めないと、専門的な内容が書かれているテキストを読むのが、非常に難しいでしょう。
場合によっては訳だけで精いっぱいになるかもしれません。
でも、これはある意味、仕方のないことです。
今まで、数式が出てくる数学や理科に関する英文を学習する機会がほとんどなかったのですから・・・。
ここでは、理系英語の読むトレーニングとなる書籍を紹介します。
SAT(大学進学適性試験)のテキストを読むのが大変です。何かいいものはありませんか?
院試活では、最終的に大学で学習する物理などの専門課程のテキストを英文で読むことを推奨しています。
これは、原文が名著であっても、日本語訳にしたテキストが必ずしも名著であるとは限らないからです。
専門課程の英文のテキストを読むための訓練として、SAT(大学進学適性試験)のテキストをおすすめしていますが、ページ数もあるため、いきなり読むには少々ハードルが高いかもしれません。
院試活では、もう少し短い英文で、理系の英語を学べる教科書があるかどうかを調査いたしました。
そもそも理系用の英語の教科書は、あまり出版されていないのですが、粘り強く探したところ、ある一つの本に出会いました。
SAT(大学進学適性試験)のテキストを読むのは少しハードルが高いと思う方が始めるには、ちょうどいい内容になっています。
ここでは、少し短い英文で理系の英語を学習したい人向けのテキストを紹介します。
- 100から150語程度の平易な科学英語例文
- 日本語での平易な解説と関連する科学英語の用語
- 科学英語例文と科学英語用語を収録した音声MP3 CD-ROM
の3点です。
Chapter 1 で科学の法則と方程式を中心とした科学英語例文で構成されています。
掲載されている例は、
- ニュートンの万有引力の法則
- ケプラーの惑星運動の法則
- フックの法則
- スネルの法則
- 理想気体の法則
- オームの法則
- ジュールの第1法則
- クーロンの法則
- ファラデーの電磁誘導の法則
- フレミング左手の法則
- エネルギー保存の法則
- シュテファン・ボルツマンの法則
- プランクの法則
- 水素原子のスペクトル
です。
どれも物理に出てくる重要なものばかりです。
これらの内容を100-150文字程度の平易な科学英語と、英語の読み方が書かれた数式とのセットになって掲載されています。
また、Chapter 2では、主に物理や地学の内容が多いのですが、基本的な科学テーマとトピックスを中心にした科学英語例文が掲載されています。
こういった言い方をするのか、といった発見があるかもしれません。
理系に出てくる特有の英文の読み方を知りたいときの参考書
理系の英語は、説明文であることが多いことから、内容はわかりやすいものが多いです。
院試活では、SAT(大学進学適性試験)のテキストで学習することをおすすめしています。
このテキストを読むことで、理系の英語の言い方など、基本的なことは学習することができます。
1冊こなす頃には、大学の物理などの英文テキストもあまり抵抗なく、読めるようになってくるでしょう。
しかし、このテキストだけではどうしても学習できないことがあります。
それは、数式の読み方そのものです。
もともとSAT(大学進学適性試験)の問題集は、米国の高校生向けに書かれている内容です。
彼らは、小さい頃から数式についての読み書きしてきているのです。
すなわち、数式については読めることが当たり前であるという前提で書かれています。
そのため、こんな感じでぽんと数式がでてきます。
\[ E = mc^2 \]
この数式の読み方が何かという英文が書かれることはありません。
この数式はどうやって読むのか、調べる手段がないのです。
数式は世界共通語ですので、日本語で読んでもその文章を読む分にはなんとかなります。
しかし、英語でプレゼンしたりする機会があったとき、どうやって読んだらいいか、そのときになって慌てて調べるとなると、多くの時間を費やしてしまうことになります。
そのときには、「教養としての理系の英語」をおすすめします。
例えば、\( E = mc^2 \) は英語でどう読むかわかりますか?
答えは、 \(E\) equals \(m c\) squared と読みます。
学校で、英語を学習しますが、こういった数式の読み方はほとんど学習しないので、いざ出てくると、なんて言ったらいいのかわからなくなるのです。
この「教養としての理系の英語」は、加法、減法、乗法、除法から、上付き文字・下付き文字、数列や微分・積分の読み方など全部で30項目、数学で出てくる英語の読み方について、解説しています。
さらに、物理・科学・生物などに特有な、元素・化合物、力、コンピュータ、遺伝子と細胞といった基礎的な科学例文も掲載されています。
なんとなくわかるけれども、きちんと読みたいとき、「教養としての理系の英語」で学習するといいでしょう。
なお、単行本はCD2枚つきです。
Kindle版は音声なしですが、mp3がベレ出版の音声ダウンロードストアでCD1枚につき、216円(2018/7/25現在)で販売されています(2枚組なので 432円)。
Kindle版を購入して、音声を別途購入すると、1,836円+432円=2,268円です。
単行本を買うより安いので、Kinlde版を活用してもいいでしょう。