人類の住む宇宙 第2版 (シリーズ現代の天文学 第1巻)

宇宙・天文学を学ぶには、物理と数学の知識が必要不可欠です。

そのために、物理と数学についてはマスターする必要があるのです。

 

とはいえ、宇宙・天文学を学ぶためには、宇宙・天文学はどのようなものかの概要も知っておいた方がいいですよね。

とはいえ、高校の理系コースで、地学を選択できる学校は非常に少なくなっています。

まずは高校地学の範囲を学習することをおすすめします。

高校地学範囲については、

 

天文学の教科書を学習する前に。高校地学の知識を身につけよう!

 

を参照してください。

HR図や星の進化の概要などは高校地学で学ぶからです。

 

でも、大学で宇宙・天文学を学ぶのであれば、高校地学だけでは不十分です。

しかし、いきなり専門的な書籍に入っても、全体のイメージがつかみづらいため、かえって難しく感じることでしょう。

そこで、ここでは大学教養レベルの宇宙・天文学のテキストについて紹介します。

 

大学教養レベルの天文・宇宙の内容は?

高校で学習する地学は、学習指導要領に基づいて授業が行われます。

すなわち、完全に誰もが認められた内容で、検証されたものだけが登場します。

しかし、研究によって日々新しいことがわかってきます。

新しいことがわかってそれが教科書に反映されるまでには、10年単位の年月がかかると言ってもいいでしょう。

すなわち、高校の地学は天文・宇宙を学ぶ上での基本ではあるものの、これから深く学ぶ上では、足りないことが多いのです。

専門分野に入ると、物理と数学をフルに使います。

場合によっては化学などの知識も使うことでしょう。

 

ただ、専門分野を学習する前に、天文・宇宙の概要を高校地学では学習しない内容も含めて、学んでおくと、専門分野の講義でよりイメージしやすくなるかもしれません。

高校の地学では学習しない内容の一例として、超新星爆発の際に起こる元素生成の話や、太陽系外惑星の話、時と暦の話が上げられます。

これらは今、注目されている内容の一つであり、近年のマルチメッセンジャー天文学の進展やさまざまな観測機器の性能向上により、ようやくわかりかけてきたことばかりの内容です。

こういった内容はまだわからない部分もありますので、高校の地学分野では扱えない話も多いのです。

大学の教養レベルでは、まだ完全に解明されたわけではないけれども、研究によってだいぶわかってきた部分を扱うのです。

 

※ 大学では、高校のように何を学習する必要があるかの指導要領はありません。そのため、講義でどのような内容を扱うかは各担当の先生によって変わってきます。ここでは、あくまで一般的な例としてあげています。

 

大学教養レベルの内容を扱っている書籍は?

「シリーズ現代の天文学」で2006年に初版が刊行されました。

発売から10年以上たった2018年現在、初版の内容から大いに発展した分野もあり、第2版が徐々に出版されつつあります。

「人類の住む宇宙 第2版」も2017年3月に第2版が出版されました。

初版との大きな違いは、初版ではかんたんに扱っていた内容でしたが、その後の大型望遠鏡の観測などにより進展が著しい太陽系外惑星についての章が追加されたことです。

他にも進展のあった部分の改訂が行われています。

全体の概要は、以下の通りです。

目次

  1. 現代宇宙観までの道のり
  2. 宇宙の起源と現代の姿
  3. 元素の起源
  4. 太陽系
  5. 太陽系外惑星
  6. 地球と人間
  7. 時と暦

 

宇宙論から、恒星進化(元素の起源)、太陽系や太陽系外惑星といった上を見上げる天文・宇宙だけでなく、「地球と人間」や「時と暦」といった、私たちの住む地球についても触れています。

地球も惑星の一つですし、宇宙の中にある惑星の一つなのです。

地球の話になると、下を見るイメージがあり、上を見るのと下を見るのとでは全く違うように思えますが、地球も天文・宇宙の対象であることに違いありません。

全体を見渡す上では、バランスよく内容が含まれているのではないかと思います。

 

もちろん、これは概要にすぎませんので、もっと深く学びたいと思うかもしれません。

それは各論で学習できるようシリーズ化されていますので、詳しくはそちらで学ぶことができます。

物理的な話も若干出てくるとはいえ、難しい数式が出てくるわけでもありませんので、比較的追いやすいテキストと言えるでしょう。

まずは、「人類の済む宇宙」で概要を学習してみてはいかがですか?

 

 

天文学の教科書を学習する前に。高校地学の知識を身につけよう!

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