ヘールボップ彗星

天体力学の教科書が見当たらない?!

宇宙のことを学ぶときに必ず出てくるのが天体の引力による運動です。

ロケットや探査機の軌道を計算したり、天体同士の軌道計算をする際には必ず出てきます。

でも、引力の力だけで惑星がぐるぐるまわっているのはなんだか不思議です。

そんな天体の動きや探査機の運動について知りたいかと思うかもしれません。

 

また、2体問題は解析的に解くことができますが、3体以上の天体になると、もう解析的に解くことはできません。

そのため、近似を用いて計算するか、コンピューターに計算させるかのどちらかしかありません。

近似は、摂動論と呼ばれています。

この摂動論は式の展開や計算が多いため、難しく感じるかもしれません。

このあたりがネックにもなっているようです。

 

ところが天体力学の参考書は、洋書がほとんどで日本語の参考書はほとんど見当たりません。

時々日本語の良書も出版されるのですが、しばらくたつと絶版になってしまい、手に入れるのが非常に難しくなってしまうのです。

なかなか見つけるのが難しい書籍ですが、天体力学の参考書をいくつか紹介します。

 

絶版になっているものも図書館にある場合もありますので、探してみることをおすすめします。

おすすめの参考書

入門書はこれできまり!

現在学習している数学も元を正せば、天体力学の問題を解くことから始まったものもいくつかあります。

天体力学は天文学の分野だけでなく、数学からのアプローチもあるのです。

そのため、参考書によってはある程度数学の基本が身についた人向けのものも存在します。

 

しかし、天体力学の基本を正せば、2体問題からスタートすることになります。

二つの天体がお互いの重力によってどのような運動をするのかを調べるのです。

これは二つの天体について、ニュートンの運動方程式を立てて、その方程式を解くことで得られます。

 

天体力学はこの運動方程式を解くことなのですが、そこから得られる軌道の性質を調べるのも天体力学の範囲です。

軌道の性質を調べるときには、直交座標で表示した形では少々不便です。

そこで、離心率\(e\) などを使って曲線の形がわかりやすい形に変換して計算を行います。

 

しかし慣れていないと、どうして離心率がでてきたのかがわからなくなってしまいます。

このあたりは既知として書かれているテキストもあるため、天体力学を学習する上での障壁となっています。

 

 

この部分を高校で学習した知識を元に読み進められるように構成したのが、

 

天体力学入門(上)長沢 工著

 

です。

 

上巻は、物体の運動から始まり、質点の運動の性質、ポテンシャルと天体力学で用いられる概念の準備を行った後、2体問題と軌道要素、楕円運動の展開式と続いています。

用いられている概念としては、外積や角運動量など大学で学習する内容も含まれていますが、この部分は本書で丁寧に解説してありますので、このあたりを学習していない場合でも読み進めることができるように配慮されています。

残念ながら摂動論などが書かれている下巻は絶版になっていますが、天体力学の基本はこの参考書で学ぶことができます。

スタンダードな教科書

 

残念ながら絶版になってしまっています。

しかし、天体力学の基本的な要素はこの1冊に凝縮されている良書です。

前提条件としては

 

  • 学部初級で学習する一通りの物理数学
  • 力学、解析力学

 

を学習済みであるということが前提になります。

内容としては、2体問題、制限3体問題、定数変化法を用いた摂動論、人工衛星の運動です。

もし手に入るならば手元に置いておきたい1冊です。

 

天体力学を本格的に学べるテキストは絶版になってしまっています。

そこで、本格的に学習するのであれば、洋書で学習することになります。

この太陽系の惑星や衛星に見られる力学的な特徴についても後半で解説しています。

洋書は本が大きく、分厚いため、持ち運びに苦労しがちですが、この本は電子書籍版もでています。

電子書籍版は紙の書籍に比べて値段も安く、持ち運びに便利なのです。

ただし、出版社からの制限で同時に読む端末数は最大4台に制限されています。

しかし、目次を見ると

 

  1. Structure of the Solar System
  2. The Two-Body Problem
  3. The Restricted Three-Body Problem
  4. Tides, Rotation, Shape
  5. Spin-Orbit Coupling
  6. The Disturbing Function
  7. Secular Pertubbations
  8. Resonant Perturbations
  9. Chaos and Long-Term Evolution
  10. Planetary Rings

 

と天体力学の基本から実際の太陽系で起こっている現象についての項目も含まれています。

天体力学を学習してどのように使われているかを知るにはもってこいの教科書になっています。

式も比較的丁寧に導出されていますので、英語という壁はあるものの教科書を追っていくことができることでしょう。

また、学部で学習する数学がわかっていることが前提になっています。

基本的な数学はマスターしてから読んだ方がいいでしょう。

1点だけ注意すべき点は、この教科書は誤植が多いですので、公式サイト

 

http://ssdbook.maths.qmul.ac.uk/

 

の「What’s New?」配下にある最新の「known errors」を印刷して見るようにするといいでしょう。

古くから読まれているスタンダードな教科書

1961年出版でかなり古いのですが、オンデマンド出版になっているので、紙の書籍でも電子書籍でも手に入れることができます。

電子書籍のほうが安くてかさばらないという利点があります。

比較的容易に手に入れることができるテキストです。

この教科書を参考文献に上げているところもありますので、掲載します。

 

さきのSolar Systemとこの教科書のどちらかを読めばよいでしょう。

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