地球の外に飛び出して

地球以外にも生命が存在する?

惑星探査や地球外生命の探索、生命の起源など、恒星の周りに惑星が当たり前のように存在することがわかり、議論が活発になってきています。

生命の発生には水が欠かせないものとされています。

地球外生命を見つけるため、ハビタブルゾーンと呼ばれる水が液体で存在しうる範囲にある岩石惑星を必死になって探しています。

2017年の2月にみずがめ座の赤色矮星「TRAPPIST-1」のまわりに、地球と同じような岩石惑星で、しかもハビタブルゾーンの範囲にある惑星が発見されてニュースにもなりました。

これまで見つかった惑星は、木星のようなガス惑星だったり、スーパーアースと呼ばれる地球の数倍程度の大きさを持つ惑星ばかりでした。

スーパーアースは太陽系にはないタイプであるため、どのような環境であるのかよくわからない惑星だったのです。

もしかしたらこのような惑星にも生命が存在しうる環境かもしれませんが、なにしろ身近に同じような惑星がないため、判断がつかなかったのです。

TRAPPIST-1は、地球と同じようなサイズだったため、大きく注目されたのでした。

 

宇宙生命を考えるときには、二つのアプローチがあります。

一つは、天文学からのアプローチで、恒星の周りを回る惑星や惑星の周りを回る衛星に液体の水や有機物が存在するかどうかを調べるというものです。

もう一つは、生物学からのアプローチで、どのような条件であれば生命が誕生するのか、またどのような環境であれば生命が生存しうるかというものです。

 

かつては宇宙空間に飛び出した生命は、生存できないと考えられてきました。

しかし、高度50kmもの高さの所に生命がいることがわかっています。

また、たんぽぽ計画の実験の一つで、微生物を宇宙空間に一定期間、曝露(ばくろ)した時に生命が生きられるかどうかを実験を行いました。

1年間の曝露(ばくろ)結果、微生物が存在し続けていたことがわかりました。

宇宙空間から生命がやってきて地球で成長したという可能性も捨てきれなくなってきました。

すなわち、地球外で発生した隕石の中に微生物が紛れ込んでいて、隕石が地球に衝突して地球に生命が芽生えたという可能性もあるということです。

 

2018年現在、地球外生命は見つかっていませんが、天文学的なアプローチと生物学的アプローチから地球外生命の可能性について探っているのです。

このように天文学と生物学、一見違ったもののように見えますが、地球外生命の探査という点で、急速に接近しつつあります。

院試にでるの?

ゆいなゆいな

ずばり、院試に出るのですか?

いろはいろは

いきなり、確信つくわね・・・。

ゆいなゆいな

やっぱり知りたいじゃないですか。無駄な勉強はしたくないし・・・。

いろはいろは

言いたいことはわかったわ。

結論から言うと、専門試験に出るというよりも、面接や志望動機を書くときに必要になることがあるわ。

専門試験に出るかどうかは、その大学院の過去問の傾向から探るしかないわね・・・。

ゆいなゆいな

どういうことですか?

いろはいろは

もし希望の研究室で生命の可能性についての研究をしていたり、系外惑星の研究、惑星や小惑星等の探査に関わるようなところだと、面接を受ける際や研究計画書を書くときに知っておいたほうがやりやすいわね。

ゆいなゆいな

面接があるの忘れてました!

いろはいろは

民間英語試験、専門試験(英語試験)、面接と、研究計画書の提出もあるからね。

ゆいなゆいな

研究計画書や面接では、概要を学習しておいた方がいいですね。

ゆいなゆいな

何かおすすめのテキストはありますか?

いろはいろは

これから紹介するわね

アストロバイオロジー基本を学ぶ書籍

生命の起源を探る

この本は2010年に書かれた本であるため、たんぽぽ計画の実験はまだ開始されていない時期でした。

そのため、宇宙空間での有機物や微生物の残存結果に基づく成果が反映されていません。

しかし、生命をうみだす有機物(アミノ酸、RNA)から細胞について、そして原核生物からその先の多様な生命についての概要が非常によくまとめられています。

生命に関する概要について学習するにはちょうどいい分量になっています。

アストロバイオロジー

宇宙に私たち地球の生命以外の生命が存在しているかどうかは、まだ定かではありません。

もしかしたら、私たちの生命が特別なのかもしれません。

しかし、現に私たちが存在しているという事実は、一つの解であることは確かなことです。

そして、一番よく分かる事実なのです。

 

「アストロバイオロジー」は、地球の生命の起源と進化、そして生命探査についてバランスよく書かれた書籍です。

特に生命の起源と進化の概要については、「アストロバイオロジー」でつかむことができるようになっています。

2013年出版の書籍なので、やや古い記述の内容もありますが、アストロバイオロジーは次々と新しい発見がなされている分野ですから、まずはこの書籍で基本を学習した後、最新の情報で知識を修正するというやり方で対応します。

 

目次

  1. アストロバイオロジーとは
  2. 宇宙の起源と物質の起源
  3. 地球上の生命の起源
  4. 地球上の生命の進化
  5. 太陽系・地球の誕生と初期地球環境
  6. 宇宙における有機物:太陽系と生命の原材料物質
  7. 地球における有機物合成
  8. RNAワールド
  9. 全生物の共通祖先
  10. 生命の痕跡を記録した太古の岩石
  11. 光合成の誕生
  12. 真核生物(真核細胞)の誕生
  13. 全球凍結と生命の進化
  14. 大量絶滅と生命の進化
  15. 人類と生命の進化
  16. 地球生命の極限
  17. 火星における生命探査
  18. 木星衛生エウロパの生命探査
  19. 衛生エンセラダスと宇宙物質科学
  20. タイタンにおける生命探査
  21. パンスペルミア仮説
  22. 宇宙における有機物探査
  23. 太陽系外惑星探査・生命探査
  24. 地球外文明の探査
  25. 宇宙の生命・文明探査とドレイク方程式
  26. 宇宙の未来
  27. 我々はどこから来てどこへいくのか

 

宇宙生命論

生命の発生しうる条件として、地球のような天体が考えられます。

なぜならば、現に地球に生命が存在しているからです。

そこで、地球がどのようにしてでき、環境が変わっていったかという内容を理解した上で、

 

  • 「ハビタブル」である惑星について
  • 太陽系に関する地球外生命の探査
  • 宇宙の知的生命探査

 

についての概要が書かれています。

前述の「アストロバイオロジー」と内容が重複している部分もありますが、生命が存在しうる惑星の条件について記載した「ハビタブル惑星」の章は、「宇宙生命論」の書籍のほうが詳しく述べられています。

「アストロバイオロジー」を補完する形で「宇宙生命論」の書籍を読むとよいでしょう。

 

目次

  1. 生命とは何か
  2. 地球史と生物進化
  3. ハビタブル惑星
  4. 地球外生命の探査
  5. 人類・文明と宇宙知的生命探査

 

この分野は研究の進展がめざましく、数年もすると大きく内容が変わる可能性もあります。

最新の研究については、都度フォローしつつ、基本となる考え方や現状についての概要が見通せる内容になっています。

残念ながら、末尾にある「アストロバイオ大学」のリンクは、リンク切れになってしまっています。

 

生命の星の条件を探る

生命の存在しうる可能性のある惑星の条件について詳しく記載された書籍です。

難しい数式を使わず、ハビタブル惑星の条件を探っていっています。

地球惑星科学の概論を学習しているとなお読みやすい書籍です。

ただし、この書籍は生命の存在しうる条件について探っている書籍ですので、アストロバイオロジー全般についてかかれているわけではありません。

しかし、生命が存在しうるために最低限必要な条件について、最も詳しく述べている書籍の一つなので、アストロバイオロジーを研究する人にとって外せない書籍の一つです。

 

目次

  1. 地球以外のどこかに
  2. 地面が動くこと
  3. 大陸
  4. 酸素
  5. 海惑星と陸惑星
  6. 惑星の巨大衝突
  7. 待機と水の保持
  8. 大きさ
  9. 軌道と自転と他惑星
  10. 恒星
  11. 「ドレイク方程式」を超えて
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