地球を知ることは宇宙を知ることでもあります。

地球惑星科学は、地球上の研究をする人だけが読む本ではなく、宇宙を研究する人にとっても必要な知識です。

なぜならば、他の惑星や系外惑星を理解する上で、最もよくわかっている惑星が地球だからです。

地球のような惑星が全てではありませんが、地球が存在するということは、地球のような惑星が存在するための条件があるということです。

 

近年、地球外生命体の探査が本格的になってきました。

昔は地球だけが液体の水をたたえていて、他は死の星だと思われていました。

しかし、惑星探査によって、通常であれば水が氷としてしか存在し得ない木星や土星の衛星に、液体の水がある可能性が強く示唆された観測があったのです。

加えて、太陽系以外の恒星にも惑星が次々と発見されてきています。

中には、液体の水として存在し得る位置に惑星があるものも発見されています。

 

外に目を向けたとき、私たちが参考にできるのは、今一番よくわかっている惑星:地球です。

けれども、現在の高校のカリキュラムでは、地学を十分に学べるようになっていません。

特に、地学基礎・地学を学習できる高校は少数です。

 

そこでここでは、地球惑星科学を学習するに当たって、入門となる書籍を紹介します。

 

高校地学を復習したいときの参考書

数研出版より出版されている教科書「地学基礎」と「地学」をもとに、それぞれの教科書の範囲に捕らわれず分野別に再編集したテキストです。

教科書の場合、学習する内容が決まっていますので、同じ分野でも地学基礎と地学の二つのテキストにまたがって掲載されることがあります。

教科書としてはいいのですが、自分で学習する場合には、この分割は学習するに当たって、少々めんどうなことになります。

高校地学をサッと学びたいときには、分野別に再編集された「もういちど読む数研の高校地学」がおすすめです。

 

「視覚でとらえるフォトサイエンス地学図録」とセットで購入すると、教科書では掲載しきれない図や画像をカラーで見ることができます。

 

大学入門レベルの参考書

大学入門レベルの地球惑星科学の入門書は数冊出版されていますが、その中で一番おすすめなのが北海道大学出版会が出版している「地球惑星科学入門」です。

2015年に第2版が出版されています。

内容は高校で学習する地学よりもステップアップしていますが、難しい数式はあまり出てこないので、比較的読みやすい参考書です。

とはいえ、大学のテキストですので、大学で学習する力学や数学の偏微分がでてきます。

出てきた段階で概要をサッと学習するか、その式の意味については後日もう一度学習するなどして、うまく時間を使うようにすると、効率的に学習することができます。

 

ただ、高校地学よりもステップアップしていることから、いきなりこのテキストを読んで理解しようとするのは、少し難しいかもしれません。

前述の「もういちど読む数研の高校地学」で学習した後、この「地球惑星科学入門」で学習すると、より理解が進むでしょう。