シミュレーションで卒業研究をしているところでは、プログラムを「バージョン管理」しているところがあるかもしれません。
ソフトウェアの世界では、「バージョン1.0」、「バージョン2.0.2」などといった番号で管理していることが多いです。
ソフトウェアは、バグを直したり、機能追加を行ったりするので、いつ公開したものが、どのような修正を行ったかを記録する必要があるからです。
このようにプログラムの世界ではバージョン管理が浸透しています。
しかし、この仕組みを論文やレポート執筆に役立てると、いつ何をしたかを記録することができ、意外と便利です。
ここでは、バージョン管理についてのお話をします。
どうしてバージョン管理が必要なの?
レポートを作っているとき、書き直したけど、よくよく読んでみたら前の方がよかったという経験はありませんか?
その時に、
- 前に書き直した内容を捨ててしまったので、もう一度、一から書き直す羽目になってしまった・・・。
- 前のよかった内容をとっておいたのに、どのファイルかがわからなくなってしまった・・・。
- ファイルを上書きしてしまったので、前のファイルをとっていなかった・・・。
ということになってしまったら、時間がかなりロスしてしまいますよね。
こんなとき、一元的にファイルを管理できれば、いつの時点のファイルに戻すことができたりしますので、先に書いたような失敗が軽減されます。
また、LaTeXなどのテキストファイルの原稿やソフトウェアのプログラムのソースコードであれば、保存しているものとの違い(差分)をとることができるので、違う部分が簡単にわかるようになります。
このようにバージョン管理をすることで、プログラムを作るときだけでなく、原稿を作るときにも役に立つのです。
バージョン管理に関する書籍
バージョン管理をするソフトウェアは、Subversion や Git といったソフトウェアがありますが、最近はGitを使うことが多くなっています。
ここでは最近主流になっているGitに関する書籍を紹介します。
初めてGitを使う際におすすめの書籍
図やマンガを使って、直感的にGitの入門部分を理解することができるようになっています。
Gitにはたくさんの機能がありますが、「わかばちゃんと学ぶGit使い方入門」では最低限の機能について説明しているので、自分で原稿やソースコードを管理するレベルであれば、十分でしょう。
なお、Gitは複数人で一つの原稿やソースコードを作るときにも使えます。
そのさわりの部分についても「わかばちゃんと学ぶGIt使い方入門」でも触れているので、もし複数人でGit管理することがでてきたときにも参考にすることができます。
同じようなレベルの書籍は他にも以下の書籍もあります。
いちばんやさしいGit&GitHubの教本 人気講師が教えるバージョン管理&共有入門 (「いちばんやさしい教本」シリーズ)
自分でレポートの原稿やソースコードを管理するレベルであれば、上記の2冊のうちどちらかで十分です。
Gitを使いこなしてみたい方の入門書
Gitをやったことがある方が、もう少し深いところまでGitを使いこなしたいときにおすすめの書籍です。
初歩のレベルから解説していますので、初めての方でも読み始めることができますが、課題が難しくなっているので、いきなりやるには少し厳しいかもしれません。
ただ、この本を手元に置いておけば、Gitで困ることはないでしょう。