FORTRANで大規模計算

大昔から数値計算に使われている言語にFortranがあります。

今ではCやPythonなど新しい言語もありますが、Fortranも数値計算では現役です。

昔からの遺産がある言語なので、利用価値が高いのです。

大学の研究室のコンピューターや情報処理センターには入っていると思います。

また、Linux上でも動かすことのできるGFortranがあります。

 

2022年現在、最新のFortranは2018です。

しかしFortranは、時代的な流れによってアップグレードいたしますが、それはコンピューター世界の進歩や流儀の変化にあわせてのアップグレードであり、Fortranの規格はそう頻繁には変更されていません。

最近、数値計算分野で使われているGFortranは、Fortran90/95の機能はサポートされていますが、最新版であるFortran2018の機能が全て実装されているわけではありません。

さらに過去に開発したライブラリーの関係から、研究室や大学で使われているFortranは、古い規格である可能性もあります。

ここでは、さまざまな規格のFORTRANの参考書を紹介します。

研究室や大学で使われているFORTRANの規格に合わせて選ぶといいでしょう。

 

ここでは、研究室や大学で使われていると思われる、FORTRAN77、Fortran90/95の参考書を紹介します。

FORTRAN 77

 

古くから出版されていて、入門から上級者のリファレンスとしてまでカバーしている参考書です。

出版された時期が古いため、コンピューターに関する部分はかなり古くさく感じるかもしれません。

しかし、プログラムの記載があり、文法を学ぶには十分な量が掲載されています。

Fortran90/95

Fortran90は、FORTRAN77のメジャーアップグレード版です。

FORTRAN77は、言語仕様が非常に古くなってしまったので、大幅に改訂されました。

それまでのFORTRANでは、プログラムの本文を7桁目から80桁までに書かなければならないという制限がなくなったが大きな違いです。

さらに、ソースを読みにくくするコードの書き方の一部が撤廃されたりといった変更されています。

Fortran95では、Fortran90では対応しきれなかった変更が反映された、マイナーアップグレードになっています。

そのため、書物はFortran90/95 と2つのバージョンが一緒になったものが多くなっています。

 

いくつかある書物の中で、この数値計算のための「Fortran90/95プログラミング入門」は、数値計算でFortran90/95を使う人を対象にして作られたものです。

Fortranを主に使うのは、数値計算を使う人だと思いますので、数値計算そのものにあまり関係のない機能まで紹介するのは、得策ではありません。

そういった面で、必要な機能をピックアップした書籍だと言え、プログラムを全く知らない方が読むのには不適切です。

プログラムについて授業等で学習した方がFortranを利用する際に参考にする書籍と考えてよいでしょう。

 

なお、フリーのコンパイラ GFortranやグラフ描画ソフトgnuplotのインストール方法も記載されています。

著者のサイトのサポートページにてインストール方法が掲載されているので、そちらも参照にするとよいでしょう。

Fortran 2008 唯一の日本語参考書

次期規格であるFortran 2018は、2018年6月現在発表されていませんので、Fortran 2008がこの時点での最新の規格となります。

あくまで入門書であるため、全ての機能を解説しているわけではありません。

Fortranは、規格は変わっているもののFORTRAN77以後のソースを有効に使えるよう規格が考えられていますので、書き方が大きく変わるということはあまりないと言えます。

どちらかというと、新しい機能や時代の流れに合った書き方を追加している面が多いです(ただし、いくつか廃止された機能もありますので、その部分はソースを修正する必要があります)。

新しい機能のうち、よく使われると思われる機能を解説しているのが、「Fortran 2008入門」です。

Fortran 2008について書かれた唯一の和書ですので、Fortran 2008を使う必要のある方は、この「Fortran 2008 入門」を手に取るといいでしょう。

 

 

数値計算のプログラムを実際に行う前に知っておくべき内容については、以下のページで紹介しております。

また、数値計算のプログラム演習書についても以下のページで紹介しております。

数値計算の参考書。実際にプログラムする前に知っておくべき内容

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