
微分・積分は高校で習ったけれど・・・?!
大学に入って微分・積分の講義を受けていてわかっていると思っていたら、いつの間にか「あれ?」となんとなくわからない部分が出て、講義になんとなくついて行けないと思ったことはありませんか?
高校数学で出てくる三角関数は sinθ, cosθ, tanθ の三つだけですが、大学になるとこの他に cosecθ(コセカントシータ)(=1/sinθ), secθ(セカントシータ)(=1/cosθ), cotθ(コタンジェントシータ)(=1/tanθ)や それぞれの逆関数であるarcsinθ(アークサインシータ), arccosθ(アークコサインシータ), arctanθ(アークタンジェントシータ)も出てきます。
これらは全く違うものですが、なんとなく似ているので、どっちが逆数でどっちが逆関数だかこんがらがってしまいがちです。
さらに微分・積分、極限も厳密な定義として学習することも多く、高校までに学習した内容と同じものをやっているにもかかわらず、勝手が違うため、いつのまにか講義の内容でわからない部分が出てきて、積み残しが出てしまい、やがて講義について行けなくなる可能性もあります。
いざテキストを読み返そうとも、大学で指定されているテキストに書かれていないためフォローができなくなることもあるかもしれません。
微分・積分でつまずいた君におすすめの参考書を紹介します。
微分・積分のイメージが湧かないとき
微分積分は、高校でも学習します。
受験で出るので計算問題は何十回も解いて、操作だけはある程度できるようになっているかもしれません。
大学でも学習するとはいえ、しばらく使っていないと計算を忘れてしまうこともあります。
高校数学を見直して時直すこともできますが、大学の自然科学でよく使われるような問題と受験に出てくる数学は必ずしも一致するとは限りません。
また、テイラー展開など高校では学習しなかった部分も出てきますので、大学で学習するような微分積分の内容も必要になってきます。
特徴的なのは、やっている操作の意味が詳しく書かれているだけでなく、つまずきやすい部分の注釈やコメントがこれでもかというぐらい載せてあります。
- 微分積分を忘れてしまった。
- 微分積分のイメージが湧かない。
- 大学で初めて出てくる文字について知りたい。
というときに手助けとなる参考書です。
メインの教科書として使うよりも、上記の3点に注目して部分的に学習するのに適した参考書です。
基本的な微分積分の範囲を知りたいとき
ロングセラーである「理工系の数学入門コース」の新装版です。
旧版と新版の違いは、紙の厚さです。
旧版に比べてかなり薄くなり、持ち運びしやすくなりました。
微分積分は解析学の入門として位置づけられています。
理工系の分野では、なぜそうなっているかを追求するのではなく、道具として微分積分を使うところもあります。
そのようなところでは時間的な関係もあるせいか、厳密な証明を積み重ねるのではなく、出てきた結果を真としてそれを使いこなせるようになることのほうが重要になってきます。
講義で微分積分を習っているのだけど、基本的な項目についてどこまでが範囲かを確認し、学習の教科書として使用するのにちょうどよい参考書です。
微分積分の計算過程でつまずいたとき
数学の講義でつまずく要因の一つに計算過程がわからないということがあります。
紙面のテキストには、収録できるように限りがあります。
意味の説明やその先の発展といった内容に紙面が割かれるため、どうしても計算過程の部分が削られがちになってしまいます。
ここはどう展開するのか、何を代入すれば計算が進むのかを知りたいときに活用します。
イプシロン・デルタをきっちり理解したいとき
イプシロン・デルタ論法は、論法の内容をよく考えると「なーんだ!」という感じになるのですが、一気に理解しようとしてどこかの理解が足りず、結果として全体としてなぜこれで証明できたのかが理解できないという問題が発生しやすい場所なのです。
高校までの数学は、「こういうものだよ。」という定理や定義を使って計算したり、問題を解くことが多かったと思います。
計算になれるためにはこの方法が手っ取り早いのです。
しかしイプシロン・デルタ論法は、数学の論理を使ったものです。
厄介なことに数学の論理を理解するための日本語文が、わかりにくいのです。
日本語で読むとわかったように思えますが、一つ一つの単語や文節の意味を正確に捉え、何をやっているのかを理解するようにしないと、全体を読み終わった後になにか理解できない部分が出てくるのです。
また、イプシロン・デルタ論法自体は理解できても、証明で用いるうまい数値を見つけられないという問題も発生します。
イプシロン・デルタ論法をクリアするためには、数学と論理と日本語を理解する必要があるのです。
イプシロン・デルタ論法は大抵のテキストで触れていますが、かなりあっさりとしています。
すこしでもわからない部分があるとつまずいてしまいやすい下地にもなっています。
そこで、イプシロン・デルタ論法の述べた書籍をつかった学習をするのです。
理解するまでは、単語や文節ごとの意味をしっかり理解しているかどうか、確認しながら進めるとよいでしょう。