線形代数は、物理分野のみならず、工学分野でも用いられるほど重要な単元です。
2015年より高校で線形代数の一部である行列を学習しなくなりました。
線形代数は重要な単元であるにもかかわらず、大学で初めて学ぶ内容が多いのです。
そして、しっかりと演習しなければ後々の学習に支障がでます。
そこで、ここでは線形代数のおすすめ問題集を紹介します。
まずはテキストにある例題を解いてみよう。
テキストには必ずと言っていいほど、例題が掲載されています。
テキストに掲載されている例題は、テキストの内容に沿った内容が問題として出されています。
そこで、例題を解いてみましょう。
問題集を選ぶに当たっては、この例題が解けるかどうかが鍵になります。
- 自力で解くことができる。
- 解説を見て理解することができる。
- 解説を読んでも理解することができない。
この3つのレベルによって、使う問題集のレベルが変わってきます。
問題集を選ぶ際、自分のレベルにあった問題集を使わないと、理解不足のまま問題を解き進めていくことになります。
これでは、学習している単元を理解することができないばかりか、時間の無駄になってしまいます。
特に、線形代数を学習する学年は、講義の数が多いはずです。
限られた時間を有効に使うためにも、自分のレベルに合った問題集で演習をこなしましょう。
おすすめの問題集
基本問題を中心に収録された問題集
サイエンス社からは線形代数の問題集が何冊か発売されています。
その中で最も基本的な内容の演習問題が収録されている問題集です。
目次
- 行列
- 行基本操作とその応用
- 行列式
- ベクトルと計量
- 固有値とその応用
- 線形変換
「基本演習 線形代数 (基本演習ライブラリ)」は、基本的な問題を解くことに集中しています。
そのため、問題も線形変換までしか収録されていません。
線形代数は奥が深いのですが、基本的な内容を理解して初めて先に進むことができます。
さらに、線形代数そのものも大学に入って初めて学習する単元です。
基本的な土壌がない中で講義が進んでいくため、マスターするためには、他の単元よりもより深く演習する必要があります。
まずは基本的な内容を理解する上でも、この問題集レベルをマスターします。
大学によっては、講義内容がこの問題集で収録されているレベルよりも高い場合があります。
講義について行けるようであれば、この問題集は飛ばしても大丈夫ですが、その場合でも講義で使っているテキストや参考書の中に収録されている問題は解いておきましょう。
最低限マスターしてほしいレベルの問題集
「基本演習 線形代数 (基本演習ライブラリ)」とタイトルが似ていますが、「新版 演習線形代数 ((新版演習数学ライブラリ))」のほうが若干レベルが上がってきます。
「基本演習 線形代数 (基本演習ライブラリ)」レベルが優しいと感じるようであれば、この問題集で演習をしてもいいかと思います。
目次
- 行列の代数
- 行列式
- 行列の階数と連立1次方程式の理論
- 平面ベクトル・空間ベクトル
- 正方行列の固有値と行列の標準形
- 実対称行列の対角化と主軸問題・2次形式
- 線形空間 -現代代数学への誘い
解説がわかりやすい点、問題がドリル化されている点で、使いやすい問題集になっています。
レベルアップを目指したい君へ
テキスト「線型代数入門 (基礎数学1)」の問題集であり、線型代数入門の不足分を補う形の問題集です。
「線型代数入門 (基礎数学1)」のテキスト自体のレベルが高いため、いきなりこの問題集にチャレンジするのは厳しいと言えます。
「線型代数入門 (基礎数学1)」と併用しながら解くのに適しています。
講義中には間に合わなくても、長期休暇の間に勉強するなどして、最終的にはこのレベルまで上げておくことをおすすめします。
目次
- 平面および空間ベクトル。複素数
- 行列。一次方程式系
- 行列式。特性多項式
- 線型空間と線型写像
- 線型変換の標準形(計量のない場合)
- 計量空間の線型空間。二次形式
- (付録)多項式