こんなのもフーリエ解析で?!

フーリエ解析は、物理系や工学系ではしばしば目にする内容です。

解析などではよく使う内容です。

しかし、フーリエ解析は計算量が多いため、講義は数式計算で終わってしまうこともあり、イメージがとらえにくいかもしれません。

ここでは、フーリエ解析の基本を学ぶときのおすすめの参考書を紹介します。

何のために使うの?

物理系の学問は、数式をベースに話を進めます。

そのため、数学の知識がある程度必要になってきます。

 

ただ、全てを厳密に議論するところまで時間を取ることができない関係から、結果をそのまま使って話を進めたり、厳密性をある程度犠牲にして解説したりすることもあります。

物理で使う数学を学習する中で、もしかしたら一番厄介なのがフーリエ解析かもしれません。

 

  • 複雑な関数が出てきたときに便利である。
  • 実際の研究でもよく使われている。

 

などといった話を講義で聞くかもしれません。

 

でも、講義をやっているときはひたすら三角関数の積分が出てきて・・・。

と便利さよりもどうしてこれをやらなくてはいけないのかという部分が前面に出るかもしれません。

ここでは、ちょっと厄介なフーリエ解析が理解しやすいような参考書を紹介します。

おすすめの参考書

フーリエ解析の概念を直感的に理解する

原著は日本語ですが、他の言語にも翻訳されて出版されています。

フーリエ解析の直感的なイメージをわかりやすく解説している書籍です。

理工系のフーリエ解析の書籍は、道具として割り切って解説していることが多く、フーリエ解析の使い方に重点を置いていることが多いのです。

実際、フーリエ解析は多くの分野で使いますので、このような使い方を知ることも重要です。

しかし、始めから使い方に傾斜してしまうと、機械的に覚えて使うだけになりがちで、なんだかすっきりしないかもしれません。

 

この本は、そんなモヤモヤした君に、フーリエ解析と概念とメカニズムを理解するのに適しています。

最初のほうでは、高校で学習する角度と図形と三角関数の関係など、大学生の君なら知っているであろう内容から始まります。

そして、徐々にフーリエ解析の説明に移っていくことで、どうしてフーリエ解析が強力な武器となり得るのかが直感的にわかるよう解説されています。

数学が数式がよくでてくるような英文は、読み慣れていないかもしれません。

 

図や表を多用して直感的に理解できる書籍

タイトルにあるように、著者は道具として使うものと割り切って解説しています。

そのため、直感星を重視した書き方になっています。

図やイメージが多く、最初の章ではフーリエ解析を用いることでどのようなところで使われているかについても、いくつも例を出して解説しています。

さらに、フーリエ解析で学習する

 

  • フーリエ変換
  • フーリエ級数
  • フーリエ係数
  • ラプラス変換
  • 高速フーリエ変換

 

の関係性の解説や、微分方程式、線形応答理論への応用も書かれているので、フーリエ解析全般を見渡すのに適している参考書です。

フーリエ解析がどのように応用されているかを知るための書籍

物理系・工学系・化学系の学生にとって、講義で学習するフーリエ解析は、やっていることはわかるけれども何のためにやっているのかがわからないと思ってしまうことがあります。

フーリエ解析は重要だよと言いつつ、講義でどのように応用されているかを知る機会が少ないことが原因です。

 

「物理現象のフーリエ解析」は長らく絶版になっていましたが、ちくま文庫から文庫本として復刊いたしました。

フーリエ解析の基本を扱っている書籍というよりは、フーリエ解析の使い道に焦点を当てている書籍です。

そのため、フーリエ解析のテクニックを学ぶ書籍ではなく、フーリエ解析の使い道のエッセンス集という位置づけになっています。

他の単元で見たことのある内容が掲載されているので、フーリエ解析がこんな所に使われているのかということを知るにはもってこいの書籍です。

 

ただし、フーリエ解析そのものの基礎知識はある程度あるものとして進めていますので、フーリエ解析を学びながら、「物理現象のフーリエ解析」を平行して読み進めるといいかもしれません。

 

目次

  1. フーリエ級数
  2. フーリエ変換
  3. フーリエ級数の応用
  4. フーリエ変換の応用
  5. 光・X線とプラズマ
  6. 線形応答理論
  7. 確率過程
  8. 量子論への応用

 

問題も掲載されていて、略解が後ろに掲載されています。

 

参考書というよりは問題集扱いと考えると納得の参考書

ロングセラー「理工系の数学入門コース」の新装版です。

旧版と新版の違いは、紙の厚さです。

紙が薄くなり、旧版に比べて持ち運びしやすくなりました。

この本は、自分で計算してフーリエ解析が使えるようになることを主眼としています。

そのため、フーリエ解析がどのようなものかの解説よりも、例題や演習で実際に計算して慣れることを主眼に置いています。

そのため、フーリエ解析を使えば何が便利で、どのようなメリットがあるのかという視点がたりません。

しかし、このデメリットは先に紹介した二冊を読んでフォローすればよいだけの話です。

この本で学習するときには、とくかく自分の手を動かしてフーリエ解析を自分の物にするというスタイルで望む、すなわち問題集として問題を解くというスタイルで望むとよいでしょう。

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