ベクトル解析の矢印は大切

ベクトル解析は、物理を学習している限り必ずついてまわります。

力学でも電磁気学でも流体力学でも出てくる必須項目です。

すなわち、院試で直接的に出題されなくても、ベクトル解析の知識がなければ院試の問題が解けないことを意味しています。

したがって、教科書に出てくる概念を学習するだけでなく、演習で使いこなせるようにする必要があります。

 

ベクトル解析の難しさは、

 

  1. 数学記号で統一して書かれているわけではなく、同じ意味で省略文字も演算子として書かれている点
  2. ベクトル解析に出てくる内容が、実際の物理現象にイメージが結びつきにくい点

 

の2点でしょう。

ベクトル解析を使いこなせれば、この先学ぶ単元も楽しく学べるでしょう。

しかしそのためには、演習というものが必要になります。

ここでは、ベクトル解析の演習書について詳解します。

ベクトル解析の演習書は?

ベクトル解析は、多くのところで使うことからたくさんの書籍が出版されています。

しかし、演習書や問題集になると途端に数が少なくなってしまいます。

これから先、多くの単元でベクトル解析は使いこなせるようにしたいですね。

以下では二つの演習書を詳解します。

 

説明から演習までのAll in Oneのテキスト、演習書

詳解つき問題580問がある参考書。

日本語訳版は、全ての問題に対して解説がついています。

院試活では、原著を読むことをすすめていますが、この「ベクトル解析 工学基礎演習シリーズ2」に関しては、日本語訳で読むことをおすすめします。

 

というのも、海外の書籍の場合、演習問題は略解か全くついていないことが多いからです。

これは、海外では講義中に解説を行うスタイルが主流であるからです。

講義でフォローされている場合には問題ありませんが、自分で学習するとなると、このスタイルは不便です。

日本語訳にした書籍の中には、日本での学習事情に合わせて、原著にはない、問題解説を行っている書籍もあります。

独習する際には、この問題解説があるのとないのとでは、学習効率が全く異なりますので、今回は日本語訳版をお勧めしています。

また、演習問題の解説が全部書いてある点が学習する上での助けになることでしょう。

 

目次

  1. ベクトル代数
  2. 直交座標系とベクトル
  3. ベクトルの微分法
  4. ベクトルの積分法
  5. 直交曲線座標
  6. 幾何学への応用
  7. 力学への応用
  8. 流体力学への応用
  9. 電磁気理論への応用
  10. 微分形式

基本部分を演習するのに適した演習書

ベクトル解析の講義はわかったので、演習をこなしたいという場合もあるかもしれません。

このときには、「演習と応用 ベクトル解析」をおすすめします。

目次

  1. ベクトル
  2. ベクトルの内積と外積
  3. ベクトル関数の微分と積分
  4. スカラー場とベクトル場
  5. 線積分と面積分
  6. 積分定理
  7. 直交曲線座標

 

とベクトル解析で最低限必要な項目が掲載されています。

最後の直交曲線座標については、ベクトル解析の場ではなく、力学などの講義で学習するかもしれませんが、場所に応じて極座標や円柱座標を用いますので、必ずマスターしなければならない項目です。

院試でも直交曲線座標がわかっていないと解けない問題が出題される頻度が高いので、ここで演習して、力学などの講義で出てきたときには使いこなせるようにしておきましょう。

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