本を読もう!

毎年、教科書から教養までたくさんの書籍が出版されています。

本をたくさん読んで、人生の栄養にすることで、今後の生き方が変わるかもしれません。

今回は理系の学習には直接関係なさそうだけど、知らないのと知っているのとではまるで違うというおすすめの本3冊を紹介します。

年間どのくらいの数の書籍新刊が発行されているか知っていますか?

総務省統計局 では、毎年さまざまな統計を取っています。

統計データの「日本の統計」の中に、第26章文化という項目があります。

この項目は、博物館や図書館、書籍・雑誌、新聞、ラジオ、映画などの文化に関する統計情報がエクセル形式になって掲載されています。

この中に「26-5 書籍新刊点数と平均価格」というデータがあります。

書籍新刊とは、新刊として、委託または買い切り条件で出荷されたとされる部数のことです。

ただし、重版は除きます。

このデータを見ると、平成30年(2018年)には71,661点もの書籍新刊がありました。

つまり、1カ月に約6,000点もの書籍が出版されているのです。

今、紙の本が売れなくなってきて、街の本屋さんが次々と閉店している状況であっても、1カ月に約6,000点という膨大な数の書籍が生まれているのです。

 

専門分野以外のことを知っているメリット

大学にも教養学部やリベラル・アーツというような学部・学科もあります。

また、このような学部・学科は設置されていなくても、かつて学部の中に複数あった学科を1つの学科に変更し、入学してしばらくたってから専攻を決めるところも増えてきました。

専攻分野を決めるのが大学入学時から大学入学後しばらく学習を行った後に変わった理由のひとつに、将来、自分の専門分野を深く研究するにしても専門分野以外の知識を持っていた方が研究しやすいということが挙げられるのです。

 

例えば、「宇宙には地球以外に生命がいるかどうか?」という問題があります。

今や、大型望遠鏡に関する計画や、探査機の打ち上げの目的の一つになっています。

実際の観測をする、どのような条件の星ならば生命が存在しうるかという条件を理論的に考えるという部分は、主に物理・数学の範囲です。

しかし、生命が存在するかどうかを調べるためには、何を観測したらよいかということや、どういう条件が理論的に必要かというのを考える必要があります。

この条件で必要になってくる知識が生物学の知識です。

生物の活動はどういうものか、どういうものを生物というのかを知らなければ条件を見つけることはできません。

 

今のは研究に直接的に関係する事例でしたが、これらの研究をする上で知っておいたほうがよい知識もあります。

例えば、アイデアの出し方や作文技術、そして海外の方のものの見方というものです。

これらの技術は、間接的に研究にも生かせる可能性があるのです。

人々に広く研究内容を知らせる方法として、文章を書くという方法があります。

このとき、いかにわかりやすい文章を書くことができるかどうかが、その本が読まれるかどうかを決める重要な要素になります。

アイデアや他の人のものの見方を知ったり、理解することで別の視点からのアプローチに気がつくかもしれません。

 

このように、自分の専門分野以外の内容を知ることは、その後の人生の助けになるかもしれないのです。

院試活おすすめの3冊!

院試活では今回、講義や院試には直接関係ないけれども、研究活動を行う上で知っているといいかもと思える書籍を3冊紹介いたします。

作文技術を制する人は、わかりやすい文章を書ける人!

日本で生活している限り、日本語を見聞きせず、また使わないで過ごすことはほぼ不可能です。

つまり、日本語を使う生活が必要になってきます。

日本語で相手に何かを伝える手段の一つとして、何かを書いて伝える「ライティング」という技術があります。

日本では、作文に関して小学生のうちから行っていることが多いでしょう。

けれども、その作文の指導は、どのようなテーマを選んで、どう思ったかを書くという内容に焦点を当てたものだったのではないでしょうか?

自分の思ったことなどを書くという学習ももちろん大切です。

ですが、作文ではもうひとつ学習しなければなりません。

それは、

 

読み手にとってわかりやすい文章を書くための、書き方

 

 

です。

このわかりやすい文章を書くための書き方の学習は、あまりやっていないのではないでしょうか?

自分の思っていることや意見を書くというステップができたら、今度はその内容をわかりやすく相手に伝える必要があります。

相手に伝わらなければ、自分の思っていることや意見を相手に伝えることはできません。

文章を書いたりするときに必要なのは、むしろ、その相手にわかりやすく伝える技術です。

「日本語の作文技術」は、相手にわかりやすい文章を書く技術について例文を交えながら、詳しく説明しています。

この「日本語の作文技術」で学習したことは、将来、君の人生においてきっと役立つことでしょう。

センスは天性のものじゃない

昔からアイデアやセンスは、天性のものだとか、できるかできないかは運次第とか言われることがあります。

学校の勉強でよく言われていたのが、国語の現代文です。

できる人はできるのに、できない人はできない。

また、今までできていたのにある日突然伸び悩んでしまうという問題があります。

だから、国語はセンスの問題で、センスは天性のものだから勉強のしようがないとかいうことがささやかれています。

実は国語の現代文を解くには技術があるのです。

アイデアも同じです。

有名な科学者がある日突然ひらめいたという話が強調されますが、生い立ちまで広げてみると、必ずしも何もせず突然ひらめいたわけではわけではないことがわかります。

残念ながら科学分野での発想方法についてのトレーニング本は見つけられませんでした。

そこで、クリエーティブな仕事の一つである広告業界で広く知られているトレーニング本を紹介します。

その本が

 

高橋宣行の発想筋トレ

 

です。

この本は、著者の高橋宣行さんが博報堂という広告会社で経験した発想トレーニングについて、まとめた本です。

1ページ目にかかれている文章を以下に掲載します。

センスがない

それはモノゴトを「知らない」から

創造性がない

それもモノゴトを「知らない」から

知らない」から

微妙な違いがわからない

判断、分析ができない

想像が広がらない

細部にこだわらない

それは、完全に

知ること」と「体験すること」の

トレーニング不足です。

 

研究も同じです。

その分野について知り、思考実験を含む実験や観察を行いトレーニングしているからこそ、アイデアやセンスが磨かれ、ひらめきが生まれるのです。

「高橋宣行の発想筋トレ」は広告業界におけるトレーニングについて書かれている本ですので、実際のトレーニングについては、各自置き換える必要があります。

けれども、「高橋宣行の発想筋トレ」を読むことで、アイデアやセンスというものは、鍛えることで向上することがわかるかと思います。

英米人のものの見方や考え方を理解するヒントは?

 

日本には「察する」や「おもいやり」といった文化があります。

これは、日本の長い歴史の中で生まれ育った文化の一つです。

 

海外にも日本とはまた違った文化があります。

ある出来事であったり、文学であったりとさまざまな要素が、文化に影響しているのです。

その中でも英米人に大きな影響を与えたとされるものが

 

  1. 米国独立宣言
  2. 欽定訳聖書(きんていやくせいしょ)
  3. シェイクスピア

 

の3つです。

特に聖書は世界に起こるさまざまな社会現象の背景に見え隠れします。

ただ、これらを全て読んで理解するのはかなりの時間がかかってしまいます。

そのような膨大な量の内容をうまく抽出して、まとめたのが「英米人のものの見方を理解するための教養の英語」です。

とはいえ、あまり難しく考える必要はなく、この人のこんな言葉はこの部分に影響されているんだなという感じで気楽に読んでもらえれば、興味深いことが発見できるかもしれませんね。

まとめ

今回は、講義や院試には直接関係ないけれども、研究活動を行う上で知っているといいかもと思える書籍を3冊紹介いたしました。

あえて研究活動と書きましたが、研究活動でなくても社会に出たときに知っているといいなと思えるものばかりです。

大学の勉強やアルバイトなどで忙しいかもしれませんが、時間を見つけて読んでもらえるといいなと思っています。

それでは、また。