望遠鏡で星空を見よう!

物理の基本科目は、

 

  • 古典力学
  • 解析力学
  • 電磁気学
  • 熱・統計力学
  • 量子力学
  • 相対論
  • 弾性体・流体力学

 

です。

細目を考えれば、例えば振動・波動、物性物理、光学といった内容もありますが、上記の科目の一部として扱う場合もあるようです。

主要科目ではないので、院試に出るかどうかは各大学院によって変わってきますが、装置開発や研究で使う場合もあるでしょう。

今回は、望遠鏡や顕微鏡、光ファイバーなどの装置開発や光の観測を行う場合には、知ってほしい

 

光学

 

の参考書を紹介いたします。

 

なお、光学の講義がない場合でも、大学によっては電磁気学や振動・波動、熱・統計力学、量子力学の項目で部分的に触れることもあります。

バラバラだと、知識としてもまとまりがつきにくいので、光学として一気に学習した方がいいかもしれませんね。

光学は高校までの知識で十分?!

光の反射、屈折、回折やレンズの基本的な性質については、高校物理で学習します。

そのため、大学で講義として1コマとって学習するところはあまりないかもしれません。

しかし、実際の観測では、光の性質やレンズに関する収差補正、応用として光学機器の仕組みや設計といった内容を知っておく必要があります。

特に、収差補正や光学機器の設計といった応用面は、高校物理では触れることはありませんので、別途学習しておく必要があります。

実は光学には

 

  1. 幾何光学
  2. 波動光学
  3. 電磁光学
  4. 量子光学

 

の4種類があります。

幾何光学は、主に光の反射・屈折、レンズの性質について扱います。

波動光学でなじみのあるのは、マイケルソンの干渉計、ニュートンリング、ホイヘンスの原理、回折格子です。

ただ、

量子光学は、量子力学を基礎として、光のふるまいや光と物質の相互作用の話です。

光は粒子としての性質(例:光電効果)と波動としての性質(例:回折)があるという話は高校物理の最後の方で出てきた話ですが、量子光学はこのあたりの話になります。

 

高校までに学習した光学の範囲は、ごくごく基本の話です。

波動光学は、大学入試の問題でも見かける内容が多いのですが、高校では、光が媒質内を伝播する横波という事実を用いて数式(関数)で表しません。

大学では、数式を用いて学習することになります。

高校で学習しているとはいえ、大学レベルの光学も学習しておくといいでしょう。

 

光学の参考書

古くからある入門書

古くから親しまれている参考書。

全4章からなり、

 

  1. 幾何光学
  2. 波動光学の基礎
  3. 光学の応用
  4. 電磁光学

 

と進んで行きます。

光学を体系的に学べるよう考慮された構成になっており、物理現象の数式展開のみならず、応用の部分にも触れているのが特徴です。

数式の展開も割と丁寧であることから、長らく使われている参考書です。

 

光学と光学製品について学習したい人向けの入門書

光学の体系だった参考書は、先に紹介した「光学 (基礎物理学選書 (23))」のみでした。

しかし「光学 (基礎物理学選書 (23))」では、最低限のことしか書かれていません。

例えば、自然光の光の散乱などは書かれていません。

 

基本的な光の性質を余すことなく書いてあるテキストが「光の教科書」です。

本書も光学入門と称して、高校理科の基礎知識があれば読めるよう工夫されているばかりでなく、光に関しての基本的な理論から光学機器の仕組みまで、「光学 (基礎物理学選書 (23))」ではカバーしきれなかった項目まで収録されています。

目次は以下の通りです。

第1章 光線としての光(1) 基礎
第2章 光線としての光(2) プリズムとレンズ
第3章 光線としての光(3) レンズによる結像
第4章 波としての光(1)基礎
第5章 波としての光(2) 干渉
第6章 波としての光(3) 回折
第7章 波としての光(4) 偏光
第8章 自然界の光(1) 屈折、分散など
第9章 自然界の光(2) 散乱
第10章 目のしくみと色の見え方
第11章 光学機器(1) めがね
第12章 光学機器(2) 望遠鏡
第13章 光学機器(3) 顕微鏡
第14章 光学機器(4) カメラ
第15章 光学機器(5) 内視鏡
第16章 光学機器(6) 光ディスク、レーザービームプリンタ
第17章 光源(1) レーザーの原理
第18章 光源(2) 半導体レーザーとLED
第19章 光の理論体系

 

さらに、別売りの「OSA実験キット」を使った実験を併用することで、光学がより楽しく学べるよう工夫されているのが特徴です。

なおOSA実験キットは、オプトロニクス社運営のオンラインサイト「光のオンライン書店」の直販でのみ購入することができます。

 

※OSA(Optical Society of America:米国光学会)の教材であるため、実験解説カードが英語になっています。

でも、大学院になると、英語の論文をたくさん読むようになるので、今のうちから英語になれる意味でも、英語の実験解説カードはいい勉強にもなると思います。

実験セットは、

 

  • 実験解説カード 13枚(英語)
  • 光ファイバー(1m)
  • プラスチックレンズ 3枚
  • フレネルレンズ 1枚
  • フレキシブルミラー 1枚
  • ホログラム 1枚
  • 回折格子 1枚
  • 偏光板 2枚
  • カラーフィルター 4枚
  • アナモルフィックイメージ 1枚

 

が入っていて、光学に関する基礎的な11の実験を行うことができるようになっています。

こういう実験装置は、教材としてでも入手するのは難しいので、本を1冊買うぐらいの値段で購入できるのは、いいですね。

 

応用のテキストは?

光学の学習の後半に電磁光学の話がでてきます。

基本的な部分は、「光学 (基礎物理学選書 (23))」や「光の教科書」に掲載されていますが、より詳しくとなると別の教科書が必要になります。

しかし、このときのタイトルは「光学」というよりは別の単元になります。

 

  • 電磁気学
  • 振動・波動
  • 量子光学
  • 相対性理論
  • 統計力学

 

さらにこれらの単元を理解した上で、設計のより詳細のテキストを読み進めるという流れになります。

光学は他の単元との絡みが大きいですので、まずは基本的な内容のテキストを学習し、他の単元の学習状況に合わせて、より専門的なテキストに進みます。

 

 

 

 

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